山本五十六の話
この人は昭和期の海軍軍人で、 太平洋戦争開戦時に連合艦隊の司令長官をしていた人。 真珠湾攻撃を指導した人としても知られていて、 一見激しい戦争推進派のような気もするが、 実はこの人海軍では反戦派の急先鋒だったらしい。 もともと太平洋戦争がなぜ起こったかといえば、 日本がドイツ・イタリアと三国同盟を結んだことによるところがでかい。 アメリカはドイツと手を組むというのは絶対譲れないセンで、 今で言えばイランやら北朝鮮と手を組むようなもん。 ただ今のイランやら北朝鮮と違うのは、 当時のドイツはどかどか他人の家に土足で上がりこんでやりたい放題やるというような戦争状態にあった点。 当然三国同盟を結べば対米戦争の可能性は格段に上がることはわかっていたというわけ。 それでもドイツの勢いに乗って激しく行きたい陸軍はこの三国同盟を推し進めようとがんばっていたわけなのだが、 当時海軍省の次官だった山本五十六は真っ向から反対したという。 冷静に見てアメリカには勝てる見込みはないし、 ドイツ・イタリアと手を結ぶメリットも少ない、と。 当時は一種の集団的狂騒状態にあったので、 こういう世論的勢いに逆らう意見というのは弱腰・逃げ腰にうつる。 当然いつ殺されるかわからないような状態になるわけだが、 彼は遺書をしたためつつ反対の姿勢は変えなかった。 ついに彼の命を案じた上司の米内海相によって、 洋上の連合艦隊司令長官に出されることになるのだが、 それまでは命が危なかろうが「弱腰」と不名誉な言葉を投げかけられようが、 決してぶれることなく日本と国民の利益を考え「海軍次官」の職責を全うした。 世論も含めて狂騒状態に陥ったとき、 彼のような良識があって勇気のいる行動をどれだけいるだろうか。 本当にすごい人だと思う。 ----- 2010/05/22 0:54 ねよう。 inひさたろ九州別荘 →掲示板でコメントする |
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