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2010年11月 6日 (土)

BC級戦犯と中国

11月6日(土) ■ BC級戦犯と中国 ■
太平洋戦争でアメリカと戦っていたというのは誰もが知っている有名な話だが、
このはるか以前から日本は中国と日中戦争を展開していた。
対アメリカの印象が強すぎて中国との戦争を忘れがちだが。
ちなみ日中『戦争』のイメージが薄いのは、
当時日本・中国両方の大人な事情により宣戦布告が行われなかった(対外的には「戦争」ではなく「事変」という立場をとった)せいもあるかもしれない。

さて、その後。
アメリカにぼこぼこにやられた日本はついに降伏、戦争が終わることになる。
古来からの戦の常で、
勝った側は負けた側の指導者の首を取る。
この時はA級戦犯という名前をつけて「平和に対する罪」というあとから作った罪で、
東京裁判という形だけの裁判をやって、
日本の指導者達の首をとった。

そんなA級戦犯のハナシは有名であるが、
これとは別にB級戦犯・C級戦犯という別の戦争犯罪があって、
日本軍が展開していた各国現地で裁判が開かれ、
多くの人の罪が裁かれたのはあまり有名ではない。
戦争には戦争のルールがあって、
民間人は殺しちゃだめ、とか、捕虜を人道的に扱わなきゃいけないとか、
そういう国際法上の決まりを破った罪で裁くのがこのBC級戦犯。
まあ日本軍の現地高官の命令で相手捕虜を銃剣の刺殺の練習台に使ったりとか、
無意味に捕虜を殺して食べたりとか、日本人の中でもろくでもないことをしていたやつもたくさんいたので、
それらの人たちを罰する戦争犯罪がこのBC級戦犯と思えばいい。

各国でたくさんの戦犯容疑者が検挙され裁判にかけられ、
1000人くらいの人が死刑になったといわれている。
日中戦争を長い間やっていたので、
当然中国でも多くの人がこの戦犯容疑で裁かれたわけなのだが、
実は中国(台湾の国民党ではなく、共産党政権のほう)では連合国で唯一死刑になった人がひとりも出なかった、
というのは知らない方も多いと思う。
もちろん現地の住人でひどい目にあった人はたくさんいて被害者感情はよくなかったらしいのだが、
「殺す」より「生かして反省させ教育して日本に返す」ほうが長い目で見て国益になる、
との判断だったとなんかの本で読んだことを覚えている。

このハナシを初めて知ったとき、
この国はなんてすごいことを考えるんだ、
と感心したのを覚えている。
被害者感情を優先して殺すのはたやすいが、
こういう長い目での国益を優先するのはなかなかできることではない。
こういう発想ができる人が力を握っていることや、
それを通すことができる国家の組織力は、
なかなか手ごわいなー、とも思った。

それから数十年後の現代、
同じ国が起こしている様々な悲しいニュースを見ながら、
ふと、そんなことを思い出した。

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2010/11/06 20:03
お腹すいてきた。
inオレンチ

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D101106
その昔誰からか、
「組織というのは数十年で固くなってしまって、
だめになってしまうことが多い」、
ということを聞いたことがある。
岡崎にて。


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コメント

中国の、日本人の価値観に合わない行動や言動をテレビでよく見てさ、「やっぱり中国は・・・」って思うことが多々あるのさ。サンプルは少ないけど、そういう固定観念が作られてしまっていて。
でも、そう思うたびに「この国では儒教って言うすばらしい教えが生まれたんだよな」って思うんだ。みんな忘れてしまっているのかなぁ、昔話でしかなくなってしまっているのかなぁ、なんて。

投稿: meg3 | 2010年11月 7日 (日) 06時02分

何かの番組で見たのだけど、日本人は、縄文系(元祖日本人・アイヌ民族とか):弥生系(稲作を伝えるために大陸から渡ってきた人)=3:7から成る、と。
日本人・中国人というけれど、元をたどればほとんど同族だと思うんだよね~。

上海を経験できた私からすると、中国人は自己主張が強いけれど、裏表がなく分かりやすい、という前よりずい分いい印象を持てます。
日本は国土が狭いだけに、近隣の人との距離感を保つことに敏感になったといわれているよね。
この敏感こそが、いいところでもあるんだろうけれど、「神経質」という悪い印象だったり、
「空気を読め」とか「言わなくても分かる」みたいな独特の日本人観を作りだしているんだと思う。

それからまた別の番組で見たんだけど、「生かして反省させ教育して日本に返す」はロシアの方でも行われ、
でもその教育が「社会主義に洗脳させる」というものだった。もちろん、それが直接的な国益になるからね。
無事洗脳が終わった人から順に日本に帰れる、ということで、
同じ日本人同士が裏切り合ったり、嘘の情報をロシア軍に密告し合ったり、すさまじく非人道的なことが繰り広げられたようだよ。
中国の教育とはどんな教育だったんだろうね。まともなものだったのかしらね?

投稿: まるよ | 2010年11月 7日 (日) 15時01分

>meg3
せっかく近くにいる国だし、なるべく仲良くいきたいもんだなーと思っているんだけど、
なんかがっかりするニュースが多いよねー。
オレは原因は中国の人が「知らない」ことが原因のひとつではないか、と思っている。
報道される言動はフィルターかかっているのでハナシ半分に聞くようにしている。

投稿: ひ | 2010年11月 7日 (日) 15時40分

>まるよ さん
ロシアのほうの「生かして反省させ教育して日本に返す」は今回のとは意味が違います。
あの国のは戦争犯罪者ではなく、無理やり連れて行った戦争捕虜全員をそう扱ったって話です。
ロシアとは中立条約があったおかげでほとんど戦争期間がないわけだから、
ロシアに対するBC級戦犯はほとんど起こりえなかったハズです。
捕虜は犯罪者じゃないから戦争が終わった以上「生かして返す」のは当然で、
反省させる必要も教育する必要もないんです。
中国のは戦争犯罪者に「生かして反省させ教育して日本に返す」ってことをしたのがすごいポイント。
今の中国政府にはできませんね、
たぶん(国民が激しく怒るだろうし、政府は国民を極度に怖がってますから)。

ロシアの話は何冊か本を読んでいますが、あれは悲惨ですねー。
中国のほうはオレの読んだ本では悲惨な感じは受けませんでした。

投稿: ひ | 2010年11月 7日 (日) 15時44分

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