原発を理解する 第3回【原発での実装】
その基礎メカニズムについて書いた。 今回は前回までの理論をもとに、 具体的にどんな仕組みで理論が原発に実装されいるのかを書いていく。 まず燃料。 コイツには低濃縮のウラン235を使っている。 これを酸化ウランという粉末状にして焼き固めて小さな錠剤状の塊にする。 そしてこの錠剤を直径1センチ、長さ4メートル程度の細い棒状のケースに詰めていく。 これがテレビで燃料棒と呼ばれているもの。 さらにこの細い燃料棒は1センチ間隔くらいの密度で約200本束ねられ、 燃料集合体というものを構成している。 この燃料集合体100-200体がぎっしりと集められ、炉心を構成する。 燃料棒1本1本の間には秒速3メートルの水が流れており、 冷却材であり、発電蒸気のもとであり、中性子速度抑制剤になる。 この水の速度が速いため燃料棒の表面は300℃ほどになっているが、 棒の中心部は2000℃を越す高温になっているらしい。 この過程で冷却水の一部は蒸気となり、 これが発電タービンを回して発電するというわけ。 ちなみにこの冷却水を一次冷却水という。 燃料棒のケースから放射性の燃えカスがもれてしまうため、 この水は放射性物質で汚染されている。 原発がらみのニュースで一次冷却水が漏れたと大騒ぎすることがあるが、 大騒ぎの理由は以上の理由から。 今回の事故でも一番最初に格納容器(詳しくはあとで説明)の圧力を下げるために放出した水蒸気がコイツで、 それがために周囲の放射線量が上昇したのはこのせい。 これに先述した中性子吸着物質からなる制御棒が加われば、 だいたい完成。 他にもいろいろな仕組みがあるが今回の事故にはあまり関係ないので省く。 第4回【燃料棒のケースと水素爆発】 原発を理解する目次へ ポリシーはこっち ----- 2011/03/18 0:53 やや疲れた。 in福井city →掲示板でコメントする |
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