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2011年3月23日 (水)

原発を理解する 第9回【外部被爆と2種類の内部被爆】

3月21日(月) ■ 原発を理解する 第9回【外部被爆と2種類の内部被爆】 ■
前回までにベクレルやらシーベルトのハナシをした。
今回は体への影響を考えてみようと思う。

体への影響を考えた場合、
以下の要素が重要になる。
(1)半減期とベクレル
(2)どういう種類の被爆か(外部被爆とか内部被爆とか)
(3)どういう化学的性質を持った物質か

(1)は放射能の強さとその持続時間を示しているので重要なのはわかっていただけると思う。
半減期が長いほど影響が長く続き、
ベクレルが高いほど瞬時に浴びる放射線量が高くなる。
そして前にも書いたとおり半減期とベクレルは反比例的な関係で、
半減期が長ければベクレルは小さくなる傾向がある。

(2)は報道でご存知の方も多いと思う。
実はベクレルからシーベルトに換算するとき、
この被爆の種類によって換算値が変わってくる。
外部被爆とは体の外から放射線を浴びることで、
同じベクレルであれば一番小さな放射線量(シーベルト)に換算される。
対して内部被爆はご存知体の内部に取り込まれた形で被爆すること。
長期間比較的組織に近い位置から被爆するため、
ベクレル→シーベルト換算値は外部被爆に比べて高めの値を出す。
例えばセシウム137(半減期)の場合で見てみると、
1mの距離に100万ベクレルの放射線源があると、
0.0019ミリシーベルトの放射線量になるのに対して、
内部被爆の場合は1万ベクレルの摂取で1.3~0.67ミリシーベルトだから、
その差は歴然。

さて、内部被爆に関して。
実は内部被爆はさらに2種類に分けることができる。
それは経口摂取か吸入摂取の違い。
これはその物質の化学的性質によって異なるようで、
例えば先述のセシウム137は経口のほうが吸収が多いらしく、
1万ベクレルの摂取で1.3ミリシーベルト換算。
吸入では0.67ミリシーベルトと半分くらいの値になる。
ちなみにプルトニウム239を不溶性酸化物という形で1万ベクレル摂取した場合、
吸入で83ミリシーベルト、経口で0.090ミリシーベルトだからずいぶん変わる。

(3)はその物質の体内での動き方を考える上で重要。
なんでセシウムとかヨウ素が問題にされるかといえば、
この化学的性質のせいなのだ。
ヨウ素は甲状腺にたまりやすく、ここで高濃度になる。
ストロンチウムはカルシウムに似た動きをするし、
セシウムはカリウムと同じような動きをする。
このせいで体の中で物質ごとにそれぞれ特徴的な動きをする。
これらは体が必要とする物質なわけだから、
当然取り込まれやすいという性質もあわせもつわけ。

ただ、報道されている規制値というやつは、
当然こんな性質は勘定済みで設定されているハズなので、
規制値以下であれば心配する必要はないと思う。

ちなみに参考までに。
一般に子どものほうが放射線にシビアとされている。
WHOの規制値の表を眺めてみると、
大人と乳児でベクレルのガイドライン値に差がついている物質とそうでないものがあり、
ヨウ素、セシウムに関しては子どもと大人で同じ値をガイドラインの値として載せている。
ただ上記ガイドラインは英語でざっとしか読んでないので、
参考程度に聞き流していただければと思う。
そのうちちゃんと読みます。


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2011/03/23 23:43
やや疲れた。
in福井city

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コメント

すっごい分かりやすい解説ありがとう。東電や保安院の発表を聞いても、「それって結局どうなの?」っていう情報が多くてびびってしまうんだよね。もっと分かりやすく言ってくれたらいいのになあとずっと思ってたよ。みんなに読んでもらいたいわ、ひさのブログ。

投稿: さやか | 2011年3月24日 (木) 09時44分

セシウム137(半減期)の場合で見てみると、
1mの距離に100万ベクレルの放射線源があると、0.0019ミリシーベルトの放射線量になる


内部被爆の場合は1万ベクレルの摂取で1.3~0.67ミリシーベルト

この2つの情報元を教えて下さい
今度生涯内部被曝100ミリシーベルト宣言が出たのですが
内部被曝での係数をかけてベクレルを出してくるのか不安なので…

一般的な科学者の常識なら内部被曝のシーベルトが高く算出され食品の安全基準値は下がるでしょうし、国民が馬鹿だと思って外部被曝の係数で計算されると今の暫定基準値に近い値になると思います。
よろしくお願いします

投稿: 猟姪 | 2011年10月28日 (金) 11時21分

>猟姪さん
計算式や情報は原発がらみのなんかの本で仕入れたものだと思います。
どの本だったかは返却してしまった資料もずいぶんあるのですぐにはちょっとわかりません。

webページだと以下のものが参考になると思います。
http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/13.html
http://surfphys.tagen.tohoku.ac.jp/archives/457.html
http://blog.goo.ne.jp/chemist_at_univ/e/89f82eb42a2afd0dbebac2b7d1afd3f6

おそらく内部被爆の基準で計算されているでしょう。
外部被爆と内部被爆は桁違いなので、
そういうごまかしは専門家でなくとも見破れると思います。
それと、放射線量は半減期があるため、
単純な掛け算で年間被爆量や生涯被爆量を計算することができません。
内部被爆の場合はもっと複雑で、通常の核種の半減期ではなく、
体内半減期(放射性崩壊する前に核種が外に排出される分も考慮)を考慮しなければならないはずです。

とりいそぎ。

投稿: ひ | 2011年10月28日 (金) 12時42分

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