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2011年8月10日 (水)

ひさたろ書評No.59 「木橋」

8月10日(水) ■ ひさたろ書評No.59 「木橋」 ■
木橋
永山 則夫(著)
評価(最高5):☆☆☆

永山基準という言葉をご存じだろうか。
法律をかじったことある人ならなじみのある方もいるかもしれない。
永山基準とは昔、最高裁が出した死刑の基準で、
今も死刑の判断に極めて大きな影響を持つ。

そう。
筆者はこの永山基準の裁判の当事者。
彼は19歳の少年時、4人もの人を殺して捕まった。
高裁では情状を酌量されて無期刑になったものの、
最高裁でくだんの基準を示された上、差し戻しとなった。
そして死刑確定。

この作品はそんな彼が死刑確定後刑務所の中で書いたものである。
ただ刑務所の中で書いたというだけの作品なら、
オレもこんなとこで紹介はしない。
驚くべきは捕まった当時の彼、
識字能力すら乏しかったらしいのだ。
ひどい劣悪な家庭環境に育ち、
親の愛情も受けず、学校教育も受けず、将来の希望もなかった。
高裁で情状が酌量されたのはそのせい。
が、この作品、
ろくろく字も読めなかった彼が、
獄中独学で学び執筆活動を開始、
ついに文学賞を取るにいたったものなのだ。

もし彼が、
もっと早い段階で文学に出会っていたら、
親類なり友人なり教師なりに一人でもよき理解者がいれば、
おそらく犠牲になった4人と彼が不幸になることはなかっただろう。
そう思うとものすごく切なくなるのだ。

いろいろな意味で深く考えさせてくれる一冊。

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2011/08/08 23:22
ねよう。
inオレンチ

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D110810
岡崎市内にて。


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