ひさたろ書評No.68 「発達障害の子どもたち」
杉山 登志郎(著) 評価(最高5):☆☆☆☆ 発達障害という一連の症状がある。 その名の通り、子どもの成長にともなって現れることがあるというもの。 自閉症とかADHDなんて言葉を耳にしたことがある方もいるかとは思うが、 これらも発達障害の一種である。 この本はそんな発達障害について、 医者でもあるある著者がその概要や特徴についてわかりやすく説明したもの。 医者の本というと医学的な記述に終始しがちだが、 この本は教育学的な視点がかなり盛り込まれており、 医学的な発達障害の専門書とは一線を画す。 特に発達障害に対する様々な支援の必要性を訴えており、 その重要さが強く伝わってきた。 子どもたちや教員・親の視点に立って発達障害について考えようという筆者の姿勢を、 本全体にわたって感じることができる。 新書ということもあって、 非常に平易で読みやすいのもよい。 本書の中で、 『発達障害を持った子どもは非常に人数が多いため、 教育関係者で発達障害についての知識が欠如しているということは教育のプロとして失格』 というようなことが書いてあったが、 この点については全く同感。 子育て中の人についても同様で、 周りに発達障害を持つ子どもがいる可能性は大いにあるので、 このくらいの教養は持っておきたいもの。 教育関係者や子育て中の同世代人に読んでほしい一冊。 ----- 2011/11/28 22:51 ねるかそるか。 inオレンチ →掲示板でコメントする |
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