ひさたろ書評

2014年12月22日 (月)

ひさたろ書評No.108 「小学五年生(重松清)」

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なんかよんだよなー。
この人の作品。


12月22日(月) ■ ひさたろ書評No.108 「小学五年生(重松清)」 ■

小学五年生
重松清(著)
評価(最高5):☆☆☆☆

定期的に読みたくなる重松作品。
今回は小学五年生男子を主人公にした短編小説集。
様々な小5男子たちのなにげない日常を切り取る。
大人への入り口が見えてきた、
それでいて完全に子どもである男子たちの、
ほろ苦く甘酸っぱい、どこかほっこりする17の物語が詰まっている。
確かにこの時期ってそれ以前のお子様時代とも違っていて、
それ以後の青春時代とも違う、不思議な時期。
そしてまた思い出深かったりする。

そんな中でもでも特に気に入ったお話が、
「バスに乗って」と「すねぼんさん」の2作品。
「バスに乗って」は入院した母親をバスに乗って見舞いに行く日々を、
バスを中心に切り取ったもので、実にすーんとなる物語。
一方の「すねぼんさん」は父親が死んで引越しをする、
その最中を切り取ったもの。
こちらは不覚にもじわっとさせられたお話。
もちろんほかの物語もステキなのがいっぱいあった。

各物語の長さがかなり短いので、
夜寝る前にちょっと、みたいな読み方ができる。
心の栄養補給に、いかがでしょ。

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2014/12/21 16:04
久々に市街に繰り出す。
鳥取駅前モスにて。

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2014年8月25日 (月)

ひさたろ書評No.107 「「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く (小阪 裕司) 」




8月25日(月) ■ ひさたろ書評No.107 「「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く (小阪 裕司) 」 ■

「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く
小阪 裕司(著)
評価(最高5):☆☆☆☆

集団や社会といった大きな経済の動きに注目するマクロ経済に対し、
個々人などを単位とした小さな視点からの経済学をミクロ経済学という。
このミクロ経済学の中でも最近注目されているのが、
個々人の行動や脳の働きに注目した分野。
この本はそれらに基礎を置きつつ、
感情(感性)にうったえた営業について書いた一般書。

通常では考えられない量のプリンを売ったスーパーの例、
高額なイスをどんどん売った家具屋さんの例など、
いくつかの例を紹介しつつ、
人の感性にうったえた営業の大切さを説く。
個々人は理屈でものを欲しがるわけではなく、
感情的な部分が刺激されてものを欲しがる。
当たり前だが日々の仕事の中では忘れがちなこの視点を、
改めて認識させてくれる良書。
おもしろかった。

営業の現場でモノを売っている人はもちろん、
現代の教養としても楽しめる。

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2014/08/11 17:54
夏季休暇読書三昧。
たまプラタリーズにて。

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2014年7月14日 (月)

ひさたろ書評No.106 「スタバではグランデを買え!(吉本佳生)」

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おもしろかった。


7月14日(月) ■ ひさたろ書評No.106 「スタバではグランデを買え!(吉本佳生)」 ■

スタバではグランデを買え!
吉本佳生(著)
評価(最高5):☆☆☆☆

ちょっと前に売れた本。
キャッチーなタイトルが気に食わなくて、
読むのが後回しになっていたのだが、
このほど遅ればせながらようやく読んでみた。

キャッチーなタイトルとは裏腹に、
かなりしっかりした行動経済学の一般書。
ものの価値について、
ヒトの行動に焦点を当てて解説した良書。
価値と価格のメカニズムについて、
ミクロなレベルの経済学的な考え方を知ることができる。

この本、なかなかおもしろかった。
こんな本だと知っていたらもっと早く読んでいた。
資本主義社会の一員としては、
知っておいて損のない内容。
企業や商売に興味ある人はもちろんのこと、
社会人の教養として読んでおきたい一冊。

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2014/06/22 22:27
もう寝る時間じゃん!
オレンチにて。

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2014年7月 7日 (月)

ひさたろ書評No.105 「憲法への招待(渋谷 秀樹)」

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文句は、ちゃんと知った上で言いたいと思っている。


7月7日(月) ■ ひさたろ書評No.105 「憲法への招待(渋谷 秀樹)」 ■

憲法への招待 新版
渋谷 秀樹
評価(最高5):☆☆☆☆

憲法改正が発議されるまでに読んでおこうと思って買っておいた本。
まさかの解釈変更という離れ業に出られたので、
急きょ優先順位をあげて読むに至った。

内容は一般向けの憲法概説書。
日本国憲法について、
そもそも憲法とは何かという基本的な考え方から、
日本国憲法の成り立ちや概要、
日本に存在するいろいろな仕組みの憲法的解釈まで、
憲法にまつわる様々なトピックを、
ざっと眺めることができる。

王政から国民主権を獲得する世界史の文脈で、
憲法の担ってきた役割とその考え方はぜひ知っておきたい。
憲法改正自体が現憲法の条文と思想にしばられ、
改正自体が可能な条項と難しい条項があるというのは知らなかったので新鮮だった。
憲法が意識されない社会がよい社会、
という文があり、なるほどなと、うなった。
他にもおもしろいトピックが満載。

これから憲法にまつわる様々な議論・判断が要求されると思う。
それに当たって、このくらいのことは知っておきたい。
自分の住む国の最高法規だし、
これを機に知識を深めてみてはいかがでしょ。

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2014/07/07 23:54
寝る時間。
おれんちにて。

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2014年6月30日 (月)

ひさたろ書評No.104 「その日のまえに(重松清)」

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重松作品は外さない。


6月30日(月) ■ ひさたろ書評No.104 「その日のまえに(重松清)」 ■

その日のまえに
重松清(著)
評価(最高5):☆☆☆☆

いい大人の、死にまつわる物語がつまった短編集。
四十前半働き盛りの主人公たちが、
現在直面している、あるいは過去に経験した、
「死」にまつわる問題を中心に、
周りの人たちを巻き込みながら小さな物語が展開して行く。

ただ、コイツはただの短編集とは違っていて、
表題作の「その日のまえに」という短編が中心なっている。
ひとつひとつの物語がゆるくこの表題作につながっている。
こういう作品は「死」の前で終わることが多いが、
連作的短編という形で、「その日」「その日のあとで」という短編が収録されていて、
それらもまた味わい深くてよかったりする。
あとがきでこの短編集ができるにいたったワケが書かれており、
そいつもまた、ね。

表題作「その日のまえに」や一連の「その日」「その日のあとで」もすごくよいのだが、
そのまえに収録されていた「潮騒」がたまらなかった。
重いようで重すぎず、
でもやはり重く、ちょっとほっこりして、泣ける。
大いにスーンとすること間違いなし。
かなりオススメな一冊。
たまには思いっきり涙を流してみてはいかがでしょ。
      
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2014/06/24 18:30
仕事の合間に。
職場にて

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2014年6月 2日 (月)

ひさたろ書評No.103 「リストラと能力主義(森永卓郎)」

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6月2日(月) ■ ひさたろ書評No.103 「リストラと能力主義(森永卓郎)」 ■

リストラと能力主義
森永卓郎(著)
評価(最高5):☆☆☆☆

ここでいう能力主義とは成果主義のこと。
この本が出たのは2000年のことで、
その当時は成果主義という言葉が定着していなかったため、
氏があえて使ったのがこの能力主義とうい言葉。
成果主義という新しい価値観でもって、
リストラが横行していた時代である。
そんな中、成果主義とリストラの本質を説いたのがこの本。

年功序列型の日本的ビジネススタイルが限界を迎えていることは認めつつ、
現在行われているリストラと成果主義の非を説く。
海外から取り入れた成果主義が、
いかにうわべだけの不完全なものか知ることができる。
リストラも首切り一辺倒ではなく、
ワークシェアやまだら定年といった、
様々な方法があることがわかる。
個人的には後半に事例として紹介されているミニ小説がよかった。

すべてのサラリーマンに一度は読んで欲しい好著。
出版年は古いけど内容はそんなに古くない。
それだけ日本が進まなかったということでもあるのだが。

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2014/05/31 22:56
酔っ払いながら。
お家カフェにて。

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2014年5月19日 (月)

ひさたろ書評No.102 「冬の派閥(城山三郎)」

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5月19日(月) ■ ひさたろ書評No.102 「冬の派閥(城山三郎)」 ■

冬の派閥
城山三郎(著)
評価(最高5):☆☆☆

久々に幕末・維新長編を読んだ。
幕末モノというと、
薩長土を中心とした志士の物語か、
志は同じながら幕府側についた新撰組の物語で、
いずれも下級武士視点のものが多いが、
この作品はそれらとはちょっと趣を異にする。

幕末史を読むと、
徳川慶勝という名前を目にすることがある。
長州が朝敵になり京都を追われたのち、
幕府側がこの長州を討ちに行くのだが、
この時の幕府側の総大将がこの人。
時の尾張藩主である。

幕末史に詳しい人はわかると思うが、
彼が率いる長州征討の幕府軍が出動した回が2度あるのだが、
これが不可解と言ってもよいほど、
生ぬるい動きをした。
これによって長州藩は生きながらえ、
のちの幕府の瓦解につながったとも言えるほど。

そんな彼と、彼の側近に焦点を当て、
傾きつつある德川の縁者としての幕末物語を、
城山流で描いた長編がこいつ。
世にあふれる幕末ものとはちょっと違った視点から楽しめる。
こんな幕末史もあったのかと、
新鮮な気持ちで読むことができた。
その後の維新史に影響を与えたと言われる、
長州征討の裏舞台を楽しむことができる。
幕末好きにオススメな城山作品。

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2014/04/27 18:23
さあ、飯に行くべか。
鳥取コメダにて。

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2014年4月14日 (月)

ひさたろ書評No.101 「感動をつくれますか?(久石譲)」

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4月14日(月) ■ ひさたろ書評No.101 「感動をつくれますか?(久石譲)」 ■

感動をつくれますか?
久石譲(著)
評価(最高5):☆☆☆☆

ジブリファンのみなさまは名前を聞いただけでピンときたことと思う。
そう、ジブリの映画音楽を担当している、
あの久石譲の本。
ジブリ好き、久石好きとしてはたまらず、
見つけるなり買ってしまった。

内容は彼の仕事に関するエッセイ。
仕事のスタイルや哲学、
あの名曲が生まれた背景まで、
彼の仕事に関するエッセンスが詰まっている。

ジブリのイメージが強いが、
この中では彼の仕事全般について書かれており、
彼が歩んできたジブリ以前の仕事や、
ジブリ以外の音楽活動についても知ることができる。
彼の目を通じて、
彼の仕事のパートナーであるプロフェッショナル達の仕事にも触れることができ、
これがなかなか刺激的でおもしろかった。

仕事哲学を磨きたい、
全てのプロフェッショナルにオススメな一冊。

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2014/04/13 20:09
2本目を書き終える。
服部珈琲工房にて。

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2014年3月24日 (月)

ひさたろ書評No.100 「大空のサムライ(坂井三郎)」

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3月24日(月) ■ ひさたろ書評No.100 「大空のサムライ(坂井三郎)」 ■

大空のサムライ
坂井三郎(著)
評価(最高5):☆☆☆☆

ここでは何度か戦争ものを紹介しているが、
今回もそんな戦争ものよりノンフィクションを。
タイトルから想像ついた方もいるかもしれないが、
この本は昭和初期の戦争について戦闘機乗りの視点から振り返ったもの。

著者は旧海軍の元零戦パイロット。
士官将校と言われたエリートパイロットではなく、
水兵スタートのたたき上げパイロット。
それだけに熟練の技を持っており、
零戦のパイロットになって以降、
様々な修羅場をくぐってきた。
この本はそんな著者の半生を描いたもの。

さすがに様々な修羅場をくぐっているだけあり、
その話には迫力があっておもしろい。
どこかの戦いで生死をさまよいながら飛行を続けたくだりがあったが、
思わず手に汗握り、話に引き込まれてしまった。

あの戦争についてよく知らない人でも楽しめる。
戦闘機乗りというあまり得ることのできない視点から生の戦争に迫ることができる、
なかなか興味深い一冊。

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2014/03/23 19:50
もうすぐ鳥取。
鳥取への汽車車内にて。

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2014年3月17日 (月)

ひさたろ書評No.99 「そうか、もう君はいないのか(城山三郎)」

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3月17日(月) ■ ひさたろ書評No.99 「そうか、もう君はいないのか(城山三郎)」 ■

そうか、もう君はいないのか
城山 三郎(著)
評価(最高5):☆☆☆☆

城山三郎さんをご存知だろうか。
最近で有名どころだとドラマになった「官僚たちの夏」の原作者といえばわかる人もいるのではないだろうか。
この人は男くさいというか、アツいというか、
そういう物語をたくさん書いてきた小説家である。

氏にはそういう印象があったので、
この作品にはすごく意外な感じがした。
どんな作品かというと、
氏が生涯の伴侶と出会ってから亡くすまでの半生を、
彼女との思い出を中心に書き綴ったエッセイ。
これがすごくよいのだ。
氏の彼女に対する想いがあふれていて、
すごくやさしい気持ちになれる。
小説の作風から感じる氏のイメージからはずいぶんのギャップがある。

ちなみに、「どうせ、あちらへは手ぶらで行く」という本も出ていて、
これは夫人を亡くすちょっと前から氏自身が亡くなるまでの日記的メモ書きを本にしたもの。
併せて読むとまた深みがましてよいと思う。
やさしい気分になれるイチオシの本。

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2014/03/16 19:11
いい時間になってきた。
cafe SOURCEにて。

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