3・11大震災

2013年3月11日 (月)

あれから2年

3月11日(月) ■ あれから2年 ■
2年前の今頃、福井の実験室で実験をしていた。
実験室準備室につるした脳波用の電線がゆっくりと揺れ始め、
1分くらいだったか、のんびりとゆったりと揺れ続けた。

これは遠くで大きな地震が起きたに違いないと、
すぐさまウェブで情報を探ると東北で大変な規模の地震が起きたという。
ただ、この時点で被害情報の報道は少なく、
津波も原発危機も起こっていなかった。

そしてその後、
津波が押し寄せ、原発が大変なことになり。
そのあたりから徐々に妙なテンションになっていった。
東北は大学時代の濃い時間を過ごした大切な地で、
知人・友人もたくさんいるので、
2次的ながら影響は小さくなかったんだね。
急性期は1か月くらいで過ぎたが、
だんだんと落ち着きつつも妙なテンションは数か月は続いたのではあるまいか。
いまでもそいつはオレの奥のほうにいると思っている。

あの震災を考え、あの震災に心しながら、
そんなことを思った。


追伸:この記事は例外的に夜ではなく、
14:46にアップされています。

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2013/03/10 21:07
つれづれなるままに。
inグロリアジーンズコーヒーズ鳥取

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D130311
福島にて。


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2011年6月21日 (火)

原発を作ったのは誰か

6月21日(火) ■ 原発を作ったのは誰か ■
こういう記事を書くのは非常に勇気がいるのだが、
原発問題は身近で大切な問題だと思うので書いてみる。

さて。
原発を作ったのはいったい誰か。
そのことについて考えてみた。
ちまたでは、
国と東電が(勝手に)原発を作っていった、
という論も聞かれるが、
オレはこの説をとらない。
原発は結局のところ誰が作ったかといえば、
結局のところオレを含めた国民が作った(作らせた)ものだと思っている。
どういうことか。

原発って、積極的に推進され始めたのが1970年代。
このころ何があったのかといえばご存知オイルショック。
このときはいろいろな石油商品の品薄とともに深刻な電気不足の危機に直面している。
どうもこれを契機に石油代替エネルギーとして原発推進へシフトしていった形跡がある。
ということは確実に国民の側からの強い要望に基づいた政策だったはずなのだ。
高度経済成長に浮かれていたこの時代、エネルギー不足による経済成長のストップというのは、
経済界だけでなく国民の大多数も容れられなかった現実だったことは想像に難くない。

いやいや。
それは国とか東電が「安全だ」と宣伝していたからで、
国民は危険だとうことを知らなかったからだ!という意見もあるかもしれないが、
それはちょっと違うと思う。
今回のようなことがなければ、
どんなに専門家が「危険」と言っても誰も耳を傾けなかったと思う。
例えばさ、オレが震災以前に「原発あかん」ってどんなに運動したところで、
まったく相手にされなかったと思うわけさ。
それに、今回の件で原発の勉強をしてみると、
1970年代のあたりの古い時代から原発に警鐘を鳴らしている本ってかなりあるのだ。
つまり「危険」だとする情報はちゃんと存在はしていたわけ。
しかし今回の危機が起こるまで彼らの意見は無視され続けた。
これは国民の側で大いに反省すべき点だと思う。

まあもちろん、
とてつもなく大きな責任が国・東電の両者にあることはいうまでもない。
しかし、オレたち国民はまったくの傍観者or被害者である、というのは、
やはりちょっと違うと思うのだ。


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2011/06/21 23:31
うお、もうこんな時間だ。
inオレンチ

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D110621
三国の街中にて。

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2011年4月26日 (火)

節電のアイディア

4月26日(火) ■ 節電のアイディア ■
震災以降、ここ福井でも節電の流れがいくらかある。
オレも震災直後は節電節電と意識したのだが、
ご存知のとおりヘルツの違いから節電分を東京・東北電力地区に融通することはできない。
節電は被災地支援という考え方からはあまり意味がないのである。

さて、そんなことがわかった後のハナシ。
うちの学生さんとあれやこれやしゃべっていた時のこと。
ひょんなことから「節電」のハナシになった。
なんでもその学生さんのアルバイト先ではいま節電をがんばっているらしいのだ。
学:「だから、うちの職場でも節電がんばっているんですよー!」
ひ:「へー、でもさ、節電って…」
学:「知ってますよ。でもうちのは節電で浮いた分の電気代を義援金にまわすっていうものなんですよ。」

ははぁ、なるほど!
そういう支援もアリだ。
自分の小賢しさがちょっと恥かしくなった一瞬でした。

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2011/04/26 23:09
ねるぞー。
inオレンチ

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D110426
春は色を楽しむ季節だと思うのだ。
ここもカラー写真が増えるわけ。
岡崎にて。


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2011年3月27日 (日)

この国の底力

3月27日(日) ■ この国の底力 ■
最近このページは地震モードに突入していたが、
パニックも少し落ち着いてきたのでそろそろこのモードを解除しようと思う。
今後は通常モードの記事アップに加えて、
細々と必要に応じて地震関連記事をあげることにする。

さて、最後にこの地震について。
今回の地震で甚大な被害を受けた。
町が全部崩壊した土地もあった。
交通システムの復旧に時間がかかる場所もある。
首都圏の電力供給はしばらくは不足の状態が続くだろう。

オレはこの状況を非常に悲しんでいるが、
じゃあ悲観しているかというとそうでもない。
この国は危機的な状況下では信じられないような底力を出せると思うのだ。
歴史をひも解くとそれを強く感じる出来事はいくつもある。

ちょんまげ結って刀を差しながらのほほんと暮らしていた時代、
西洋の文明がこの国を脅かしたことがあった。
東洋の多くの国が西洋に支配された中で、
この国はあっという間に近代化を行い西洋に肩を並べた。

都市という都市に爆弾が落とされ、
原爆という反則技まで使われて滅びかけたときもそう。
眼前に広がる焼け野原から奇跡のような復興を遂げた。

日本という国は周りを海に囲まれているという点で、
他の国々とは著しく環境が異なっている。
おそらくそのあたりが他の国にはあまりない、
独特の島国根性を生むと思っている。
意識的無意識的に関わらず。
これが高じて間違った方向に進むこともあるが、
危機に対してものすごい力を発揮する源にもなると思うのだ。

今回のいろいろな人たちの反応・行動を見てものすごくそれを感じた。
危機を前にすると、主義とか立場を超えてがんばれる不思議な力を持っている気がする。
それが悲観していない理由。
オレはあいにく愛国主義者でもなければ不健全なナショナリズムも持ち合わせていないが、
今回の一件で、「日本人、いいな」と思ってしまった。

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2011/03/19 20:49
明日は仕事。
in福井city

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D110327
横浜市内にて。


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原発を理解する 第11回【ナカジメ】

3月27日(日) ■ 原発を理解する 第11回【ナカジメ】 ■
前回はこっち。

長らくこのシリーズを続けてきたが。
もうだいたい書きたいことは書いたのでここでナカジメ。
これからも、
チェルノブイリのこととか、プルトニウムのこと、
原発を学んで思ったことなんかを書いていこうと思っているが、
それは単発でおいおいアップして行く予定。


第12回(作成中)
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ポリシーはこっち

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2011/03/27 11:14
やや疲れた。
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2011年3月26日 (土)

原発を理解する 第10回【福島原発事故の今後の想定シナリオと展望】No.2

3月26日(土) ■ 原発を理解する 第10回【福島原発事故の今後の想定シナリオと展望】No.2 ■
前回書いたのは現状から考えられる一番かたいストーリ。
現在はまだ冷却水うんぬんのことをやっているので、
まだ中身がどうなっているのか、どこどこが壊れて、どの辺が危険なのかがわかっていない。
今日は前回よりは少し枠を広げて可能性のあるものをいくつか挙げてみる。
これまでに起こった事故事象はasahi.comにわかりやすい図が載っていたのでリンクを張っておく。

(1)炉心溶融(メルトダウン)と容器の破損
一番怖いのがコイツ。
通常燃料棒というのは水(冷却水)に入っており、
周りの水が絶えず燃料棒の熱を冷ましている。
が、今回はこの水が蒸発してしまった。
このため燃料棒の表面温度が上昇してしまい、
燃料棒のケースが高温で水蒸気と反応、
水素が発生した。
そういうわけなので、当然燃料棒のケースはいくらか壊れたはずなのだが、
もし燃料棒の温度がさらに上がり続けると困ったことが起こる。
ケースではなく燃料そのものが解けてしまう温度になってしまうのだ。

燃料棒が解けるということは、
より多くの放射性燃えカスがでてきやすくなる。
また、ものすごい熱を持ったものが解けて壊れるので、
燃料棒の外側の圧力容器(燃料棒のひとつ外側のケース)や格納容器(圧力容器のひとつ外側のケース)を壊しかねない。
前にも話したとおりこいつらは放射性物質の漏洩防止の役割を持つ。
当然こいつらが壊れればそれだけ放射性燃えカスが漏れるということを意味する。
2号炉ではある時点で圧力の高かった格納容器の圧力が急に下がっており、
容器になんらかの破損が起こったことが考えられる。
炉心溶融との関係が非常に気になるところなのだ。

もし炉心溶融が起きてなかったとしても、
圧力容器とか格納容器が壊れている可能性は当然ある。
その程度がどんなものなのか、
それによって今後の事態も大きく変わってくると思う。

(2)塩害
今回の事象では津波や冷却のため、
原発施設はたくさんの海水をかぶっている。
当然復旧にしたがってこいつらがいくらか邪魔してくると思う。
それを考えてか、
そろそろ真水に切り替えるみたいだが、
スムーズに切り替えることができるのか、
影響がどの程度出てくるのか注視したい。

(3)使用済み核燃料とプール
メディアではあまり大きく扱われていないが、
オレは一番コイツを心配している。
なぜかといえば、
コイツは放射線漏れ対策の容器(格納容器や圧力容器)に入っていないのだ。
どういうことか。

使い終わったあとの燃料棒は前にも書いたとおり短半減期の放射性燃えカス達がたくさん詰まっている。
こいつらは放射線と熱を出しまくっている。
なのでとりあえず、この短半減期の連中が少なくなるまでしばらく冷やして、
それから後始末をするという手続きがとられるのだ。
熱をとるために水の中に沈め、
水を循環させて熱をとりながら気長に待つ。
この熱をとる施設が使用済み核燃料のプールというヤツ。
原子炉建屋の上のほうの階に設置されている。
が、このプールの水の循環器系が停電で死んでしまい、
気付いたら水位が下がって燃料棒が露出し温度が上昇。
燃料棒ケースが破損した可能性があるのだ。

点検中で止まっていた4号炉から火が出たのそのせい。
3号炉の使用済み核燃料も破損の可能性あり、
1,2号炉は不明という状況。

この使用済み核燃料に関しては、
放射能漏れを防止する唯一の安全設備が建屋になるのだが、
今回は2号炉以外、すでに建屋がなくなっている。
もしコイツらから漏れ出でている(もしくは漏れ出す)ような事態になれば、
被害は相当深刻なものになると思っている。
間近で報道されている高濃度の放射線を含んだ水は、
こいつら由来ではないかと考えてさえいる。

なんでこんな危険なものが、
こんなちゃっちいシステムで保管されていたのか、
この辺にかなり違和感を持つところなのだが、
文句をつけるのは危機が落ち着いてから、と考えているので、
今回は書かない。


第11回【ナカジメ】
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2011/03/26 0:48
やや疲れた。
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2011年3月25日 (金)

原発を理解する 第10回【福島原発事故の今後の想定シナリオと展望】No.1

3月25日(金) ■ 原発を理解する 第10回【福島原発事故の今後の想定シナリオと展望】No.1 ■
前回までにもう書きたいことはだいたい書いてしまった。
あとはチェルノブイリのこととプルトニウムの毒性のことを書きたいと思っているが、
これは今本を読んでいるところなのでちょっと時間がかかる。
なのでそいつらは後回しして、
今回は勉強してきたことと現状を踏まえて「今後どうなるのか」について考えてみたい。
そんなに外れているとは思わないが、
あくまでオレの私見であることは頭に置いて読んでいただきたい。

福島原発は放水で一時期に比べるとずいぶん落ち着いた。
が、オレはむしろこれからが重要だと思っている。
おそらく今回の事故で燃料棒のケースは破損している。
水を激しくまいて水位を戻すという一連の対応は、
この燃料棒のケースを修復することや放射能漏れをなくすことを目的としたものではない。
いったん破損したケースは勝手に修復することはないので、
あくまでこの破損をこれ以上広げないようにするための措置である。
なので今後はこの燃料棒ケースからの漏れをどう防ぐかが課題になってくる。

じゃあどうやってケースを修復する?と考える人もいるかとは思うが、
おそらくこの破損を修復するのは無理。
どの程度の破損かは不明だが、
燃料棒から漏れている放射性物質は、
何重かのシールドをくぐりぬけてきたごく一部であることが考えられるので、
燃料棒を直接どうこうするのは放射能レベルが高すぎるハズなのだ。
危険極まりない行為なのでまずないと思う。
すると考えられる措置としては、
まず安定的な状態を保てるように装置をセットアップする。
例えば冷却系とかモニタリング計器なんかを整備する。
その上で建物ごと何らかの方法でシールドをし、
短半減期の連中が少なくなるのを待ってから、
燃料棒の撤去という流れになると思う。

スリーマイル島の原発事故では、
事故後燃料棒の取り出し開始までに5年、
終了までに10年かかっている。

ちょっと中途半端になってしまったが、
もう時間が遅いのでまた次回。


第10回【福島原発事故の今後の想定シナリオと展望】No.2
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2011/03/25 0:41
やや疲れた。
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2011年3月23日 (水)

原発を理解する 第9回【外部被爆と2種類の内部被爆】

3月21日(月) ■ 原発を理解する 第9回【外部被爆と2種類の内部被爆】 ■
前回までにベクレルやらシーベルトのハナシをした。
今回は体への影響を考えてみようと思う。

体への影響を考えた場合、
以下の要素が重要になる。
(1)半減期とベクレル
(2)どういう種類の被爆か(外部被爆とか内部被爆とか)
(3)どういう化学的性質を持った物質か

(1)は放射能の強さとその持続時間を示しているので重要なのはわかっていただけると思う。
半減期が長いほど影響が長く続き、
ベクレルが高いほど瞬時に浴びる放射線量が高くなる。
そして前にも書いたとおり半減期とベクレルは反比例的な関係で、
半減期が長ければベクレルは小さくなる傾向がある。

(2)は報道でご存知の方も多いと思う。
実はベクレルからシーベルトに換算するとき、
この被爆の種類によって換算値が変わってくる。
外部被爆とは体の外から放射線を浴びることで、
同じベクレルであれば一番小さな放射線量(シーベルト)に換算される。
対して内部被爆はご存知体の内部に取り込まれた形で被爆すること。
長期間比較的組織に近い位置から被爆するため、
ベクレル→シーベルト換算値は外部被爆に比べて高めの値を出す。
例えばセシウム137(半減期)の場合で見てみると、
1mの距離に100万ベクレルの放射線源があると、
0.0019ミリシーベルトの放射線量になるのに対して、
内部被爆の場合は1万ベクレルの摂取で1.3~0.67ミリシーベルトだから、
その差は歴然。

さて、内部被爆に関して。
実は内部被爆はさらに2種類に分けることができる。
それは経口摂取か吸入摂取の違い。
これはその物質の化学的性質によって異なるようで、
例えば先述のセシウム137は経口のほうが吸収が多いらしく、
1万ベクレルの摂取で1.3ミリシーベルト換算。
吸入では0.67ミリシーベルトと半分くらいの値になる。
ちなみにプルトニウム239を不溶性酸化物という形で1万ベクレル摂取した場合、
吸入で83ミリシーベルト、経口で0.090ミリシーベルトだからずいぶん変わる。

(3)はその物質の体内での動き方を考える上で重要。
なんでセシウムとかヨウ素が問題にされるかといえば、
この化学的性質のせいなのだ。
ヨウ素は甲状腺にたまりやすく、ここで高濃度になる。
ストロンチウムはカルシウムに似た動きをするし、
セシウムはカリウムと同じような動きをする。
このせいで体の中で物質ごとにそれぞれ特徴的な動きをする。
これらは体が必要とする物質なわけだから、
当然取り込まれやすいという性質もあわせもつわけ。

ただ、報道されている規制値というやつは、
当然こんな性質は勘定済みで設定されているハズなので、
規制値以下であれば心配する必要はないと思う。

ちなみに参考までに。
一般に子どものほうが放射線にシビアとされている。
WHOの規制値の表を眺めてみると、
大人と乳児でベクレルのガイドライン値に差がついている物質とそうでないものがあり、
ヨウ素、セシウムに関しては子どもと大人で同じ値をガイドラインの値として載せている。
ただ上記ガイドラインは英語でざっとしか読んでないので、
参考程度に聞き流していただければと思う。
そのうちちゃんと読みます。


第10回【福島原発事故の今後の想定シナリオと展望】No.1
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ポリシーはこっち

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2011/03/23 23:43
やや疲れた。
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原発を理解する 第8回【ベクレルとシーベルトその2~シーベルトの求め方】

3月21日(月) ■ 原発を理解する 第8回【ベクレルとシーベルトその2~シーベルトの求め方】 ■
前回この単位に関する質問が多数でた。
なので、少しだけ補足を。

放射線量(シーベルト)は様々な放射線物質から出ているものの総量だと書いた。
前回は触れなかったが、
実はこの「放射線量(シーベルト)」というのは、体への影響が加味されたもののことを言っている。

ご存知の通り放射線にはいろいろな種類がある。
α線、β線、γ線、中性子線など実にたくさんのものがある。
こいつらはそれぞれ性質が異なっていて、
当然ながらその作用も異なる。
そういうわけだからこれらの放射線の量を単純に足し算してもあまり意味はない。
というか、量がいかなるものかという定義がないので足し算そのものができない。
そこで放射線量(シーベルト)では「体への影響」ということに特化した値としてあらわされている。

基本的に「体に影響がある」=「体にエネルギーが吸収された」と考えていい。
なので、
放射線量(シーベルト)=α線の出したエネルギー×α線の生体に及ぼす影響係数+β線の出したエネルギー×β線の生体に及ぼす影響係数+…
という風にして求めることができる(※実際にはもう少し複雑な式で組織ごとの影響の違いまで補正している)。
影響係数は実験的に固有値が求まっているので、
あとは計測器で各放射線エネルギーがどれくらいあるかを求めてあげればシーベルトが求まることになる。

まあそういうわけだから、
放射線量(シーベルト)で示された値というのは、
同じ値であれば原発由来のものだろうが、ジェット機で移動中に浴びるものだろうが、
生体への効果は同じ、と考えることができるのだ。

ちなみに全放射性物質のベクレルがわかっていれば、
その時の放射線量(シーベルト)は求まりそうだが、
全放射性物質を計測することが難しいせいか、
そういった変換の方法は調べても出てこなかった。
その逆(シーベルトからベクレルを求める)は、逆問題(方程式で2つしか式がないのに未知数が3つ以上あるような問題)になるので理論的に変換不可能。


第9回【外部被爆と2種類の内部被爆】
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2011/03/23 0:47
ねみぃ。
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2011年3月21日 (月)

原発を理解する 第7回【ベクレルとシーベルト~現在の放射線量のレベルは持続しうるのか?】

3月21日(月) ■ 原発を理解する 第7回【ベクレルとシーベルト~現在の放射線量のレベルは持続しうるのか?】 ■
前回半減期のハナシをしたので、
もう少し半減期絡みのハナシを。

各地で通常時よりは高い放射線量(シーベルト)が報告されている。
同時に放射性物質であるセシウム134・137、ヨウ素131などの検出も報告されている。
セシウム134といえば半減期が2年で、セシウム137は30年くらい。
半減期が長いということはその分放射線を出す期間が長くなる。
ということは、長い半減期のセシウムとかがいる限り、
この高い放射線量はしばーらく続くのではないか?という不安が出てきてしまう。
現在の放射線量×1年にすると結構やばい数字になってしまうし、
最悪しばらく住めなくなってしまうんじゃないかという論にも発展する。
が、この論には少し落とし穴がある。

今回検出が報告されている放射線については、
実はどの物質由来なのかというのはあまり言われてないと思う。
これがセシウム由来だとすれば、
上の不安論が正しくなると思うのだが、
実際には違う物質由来のものが大多数だと思う。
どういうことか。

前回の半減期のハナシでも書いた通り、
放射線というのはその物質がぶっ壊れて別の物質に変化するときに発生する。
半減期がはそのぶっ壊れるまでの時間を示すことにもなるから、
半減期が長いものというのは放射線をあんまり出さない(放射能が低い)。
逆に半減期が短いやつほどどかどかぶっ壊れて放射線を出す(放射能が高い)。
で、現在は事故から10日以内なわけなので、
相対的に短半減期の放射性物質由来の放射線の割合がかなり大きいはずなのだ。

こういう混乱を防ぐために、
半減期を勘案した放射能の強さを「1秒間に崩壊する原子核の数」で定義して、
ベクレル(記号:Bq)という単位を使って放射能の強さを物質ごとにあらわし、
物質ごとの影響の議論をするときにはこっちを使う。

せっかくシーベルトという言葉を覚えたところで、
水道水とか野菜の報道で「ベクレル」という新しい言葉が出てきて混乱した方も多いとは思うが、
これらの報道でベクレルの値が使われているのにはそういう理由がある。
放射線量(シーベルト)はすべての放射性物質からでる放射線の量がごっちゃになっているので注意が必要なのだ。
セシウム137とかヨウ素133ばかり報道されているから、
こいつらが放射線量(シーベルト)の主犯のような気がするけど、実はそうではないわけ。

手元の資料では、
発電炉停止直後に放射能が強いのは、キセノン133(半減期5日くらい)、ヨウ素131(半減期8日くらい)、ストロンチウム89(半減期51日くらい)らへん。
しかもキセノン133なんかは気体だから漏れやすいらしい。
放射能の強さ(ベクレル)はセシウム134でキセノンの100分の1、セシウム137で30分の1だから、
今の状態の放射線量(シーベルト)がセシウムを強く反映している気はあまりしない。

チェルノブイリとか原爆のハナシとかで、
長半減期の放射性物質(燃えカス)の及ぼす長期的な影響が気になるところだが、
現在の状態ではまだそこまで深刻な事態には至っていないというのがオレの印象。
今ぼんぼん放射線を出している短半減期の連中は、
かなり早い段階でなくなってしまうし、
長半減期の連中だって少しずつ放射能の強さは弱まっていく。
1年間今と同じ強さの放射線量(シーベルト)の放出が続くとは考えらず、
今の放射線量(シーベルト/h)×1年分という計算方法は正しい気がしないのだ。

ただ、落ち着いたとはいえ放射性物質の漏れはまだ続いているはずだし、
今後の復旧作業によって新たな漏れが出てこないとも限らないので、
これからの状況次第で展望が変わることはありうる。
今後の状況は、今の危機状態を早く安定状態にもっていき、
漏れ状態をどれだけ早く解消できるかが鍵だと思っている。


原第8回【ベクレルとシーベルトその2~シーベルトの求め方】
原発を理解する目次へ

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2011/03/21 19:58
やや疲れた。
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